Brox.AI リサーチ

ソーシャルメディアの
アルゴリズム別
ユーザー反応の分析

AIが生成した409体のデジタルツインを活用して、4種類の異なるアルゴリズム戦略においてSNS上のコンテンツにどう反応するか検証しました。本レポートでは、プラットフォーム設計、エンゲージメント戦略、そして人々の「発言」と「行動」のズレについての洞察を明らかにします。

409
デジタルツインの数
4
アルゴリズムの種類
5
各アルゴのコンテンツ数
8,180
総回答数

分析方法

実際のインタビュー音声の文字起こしによって構築されたAI生成のデジタルツイン409体に対し、4種類のアルゴリズムそれぞれから5種類のコンテンツを提示しました。各ツインは、実際の回答者がそれぞれのコンテンツに対してどのような反応をするかを予測しました(例:いいね・フォロー・シェア・コメントなど)。

アルゴリズム A
炎上狙いの釣りコンテンツ
故意に怒り・恐怖・論争を通じて反応を引き出すよう設計された、感情的でセンセーショナルなコンテンツ。
  • 感情喚起型政治動画
  • 怒りを誘うニュース
  • 恐怖を煽る健康情報
  • セレブリティの炎上
  • 分断を招く意見記事
アルゴリズム B
信頼性の高い情報
信頼できる情報源からの事実確認済みコンテンツ。煽るためではなく、情報提供を目的として設計されています。
  • 検証済みニュース記事
  • 専門家による分析
  • 調査報道
  • データ駆動型インフォグラフィック
  • 公益性の高いストーリー
アルゴリズム C
アイデンティティ&コミュニティ
特定のアイデンティティやコミュニティへの帰属意識を刺激し、文化的誇りを促すコンテンツ。
  • コミュニティの誇りを伝える投稿
  • 地域の成功ストーリー
  • 文化遺産の特集
  • コミュニティイベントの告知
  • 草の根運動
アルゴリズム D
バランスの取れた視点
結論を押し付けず、複数の視点を公平に提示する多角的かつ丁寧なコンテンツ。
  • 両面的な政策分析
  • 比較分析
  • 討論形式の特集
  • ステークホルダーの視点
  • 丁寧な解説記事
プロセス
3フェーズ設計
フェーズ1:409体のツイン全てが4種類のアルゴリズム(計20コンテンツ)に回答。スコアを算出し転換点を決定することで、各ツインがどのアルゴリズムに一番反応するかを特定。
フェーズ2:各ツインを最も適合するアルゴリズムに割り当て、その割り当ての妥当性を新コンテンツで検証。
フェーズ3:アルゴリズムAを再テストし、人々が「発言すること」と「実際にすること」の差(発言と行動のズレ)を測定。

反応のスコアリングシステム

各反応タイプには、真のエンゲージメント(プラス)または拒否(マイナス)のシグナルとしてスコアが割り当てられています。スコアはアルゴリズムごとに5本のコンテンツ全体で合算され、人物ごと・アルゴリズムごとの累計スコアが算出されます。

反応 スコア シグナル
ポジティブなコメント付きシェア+8最も強い支持・推薦
投稿者をフォロー+7長期的なコミットメント
シェア+6積極的な拡散
ダイレクトメッセージでシェア+5非公開での支持
コメント+4積極的な参加
お気に入り・保存+4後で活用するために評価
いいね+3消極的な支持
プロフィールクリック+3発信元への関心
クリック・視聴+2基本的な興味
スクロールして無視-1軽度の無関心
非表示-5積極的な抑制
批判コメント付きシェア-6敵対的な拡散
通報-8最も強い拒否
転換点
スコア = 0
あるアルゴリズムに対する累計スコアがプラスであれば、プラットフォームはそのコンテンツをより多く表示します。マイナスであれば非表示にします。ゼロは「表示」と「非表示」の境界線です。

第1回目の結果

409体のデジタルツイン全員が4種類のアルゴリズムにおいてどのようなスコアを出したか。各スコアは5種類のコンテンツ全体の累計合計です。

-23.5
アルゴA(炎上狙い)平均
+16.6
アルゴB(高信頼性)平均
-9.8
アルゴC(アイデンティティ)平均
+14.3
アルゴD(公平な視点)平均

アルゴリズム別の平均スコア

左右に広がるバーが累計平均スコアを示します。中央より左がマイナス(非表示)、右がプラス(表示)。

アルゴ A(炎上狙い)
-23.5
アルゴ B(高信頼性)
+16.6
アルゴ C(アイデンティティ)
-9.8
アルゴ D(公平な視点)
+14.3

肯定・否定の割合

各アルゴリズムにおいて、409人中プラスのスコアとマイナスのスコアをつけた回答者の割合。

肯定(スコア > 0)
否定(スコア < 0)
中立(スコア = 0)
アルゴ A(炎上狙い)
90%
8%
アルゴ B(高信頼性)
25%
72%
アルゴ C(アイデンティティ)
77%
21%
アルゴ D(公平な視点)
24%
73%
主な発見
42%
の回答者がアルゴリズムAとCの両方においてマイナスのスコアをつけました。この層は炎上狙いのコンテンツもアイデンティティ・コミュニティ型コンテンツも拒否し、信頼性の高い情報やバランスの取れた視点を積極的に支持しています。
?
アルゴリズムA(炎上狙い型)はなぜ、主流のプラットフォーム戦略であるにもかかわらずこれほど低い結果になったのか?
アルゴリズムA(炎上狙いの釣りコンテンツ)は平均スコア-23.5を記録し、他のアルゴリズムを大きく下回る最低評価となりました。回答者の90%がマイナスのスコアをつけている点は、注目すべき結果です。なぜなら、炎上狙いのコンテンツは多くのSNSプラットフォームで主流の戦略であり、クリック数・視聴時間・シェア数によってコンテンツがランク付けされ、センセーショナルな素材が優遇されているからです。問題の本質は、プラットフォームが「つい押してしまうクリック」(短期的なエンゲージメント)を測定する一方で、「非表示・通報」というシグナル(長期的な拒否)を見逃している点にあります。非表示(-5)や通報(-8)にペナルティを与え、シェア(+6)やフォロー(+7)に正当な評価を与えると、真実の姿が浮かび上がります。人々は時にクリックをしていても、そのコンテンツを強く拒否することがあるのです。

アルゴリズム分布

各ツインは、プラスのスコアを獲得したアルゴリズムの中で最もスコアが高かったものに割り当てられました。プラスのスコアがなかったツインは「なし」に分類されます。

各セグメントをクリックすると属性の内訳が表示されます
B(高信頼性)· 43.5%
D(公平な視点)· 31.8%
なし · 18.3%
アルゴリズム B ― 高信頼性情報
178人(43.5%)

性別

女性
78.7%
男性
16.9%

世代

X世代
38.8%
ミレニアル世代
30.9%
ベビーブーマー
23.0%
Z世代
5.6%
アルゴリズム D ― 公平な視点
130人(31.8%)

性別

女性
63.8%
男性
34.6%

世代

X世代
38.5%
ミレニアル世代
36.9%
ベビーブーマー
16.9%
Z世代
6.9%
なし ― 全スコアがマイナス
75人(18.3%)

性別

女性
72.0%
男性
24.0%

世代

X世代
41.3%
ミレニアル世代
36.0%
ベビーブーマー
14.7%
Z世代
4.0%
アルゴリズム C ― アイデンティティ&コミュニティ
20人(4.9%)

性別

女性
65.0%
男性
35.0%

世代

ミレニアル世代
45.0%
ベビーブーマー
30.0%
X世代
25.0%
Z世代
0%
アルゴリズム A ― 炎上狙いの釣りコンテンツ
6人(1.5%)

性別

女性
50.0%
男性
16.7%

世代

X世代
50.0%
ミレニアル世代
33.3%
ベビーブーマー
0%
Z世代
0%
主な発見
75%が信頼性の高いまたはバランスの取れた視点のコンテンツを好む
アルゴリズムBとDを合わせると、409人中308人(75.3%)が該当します。炎上狙いのコンテンツが最適だったのはわずか6人(1.5%)。残りの18.3%は4種類すべてのアプローチを拒否しています。

考察

クリックすると各分布パターンの分析的考察が表示されます。

?
なぜアルゴリズムBが分布において最多を占めるのか?
アルゴリズムB(高信頼性情報)が全回答者の43.5%を獲得しているのは、幅広い属性において最も多くのポジティブなエンゲージメントシグナルを引き出しているからです。事実に基づく信頼性の高いコンテンツは非表示や通報などのネガティブな反応を誘発しにくく、クリック・いいね・保存といった受動的〜中程度のエンゲージメントを安定して生み出します。女性比率が78.7%と高いのは注目すべき点で、本研究では女性が検証済みの情報源を特に好む傾向が見られます。またベビーブーマーの割合も高く(アルゴBの23.0% vs 全体の19.6%)、上の世代ほど情報源の信頼性を重視することがうかがえます。
?
アルゴリズムDの層はアルゴリズムBの層と何が違うのか?
アルゴリズムDの層は、純粋な信頼性よりも多角的な視点とニュアンスを重視します。属性上の最大の違いは性別で、DはBに比べて男性比率が大幅に高くなっています(男性34.6% vs Bの16.9%)。本研究では、男性はストレートな検証済みニュースよりもバランス型・討論型のコンテンツを好む傾向が約2倍見られます。世代的にはDはやや若め(ミレニアル世代が36.9%でBの30.9%より高い)であり、若い世代ほど単一の信頼できる情報より多面的な視点を求めることが示唆されます。
?
「なし」に分類された75人とはどのような人たちか?
この75人(18.3%)は4種類すべてのアルゴリズムにおいてマイナスのスコアをつけており、どのコンテンツタイプにもポジティブな反応を示しませんでした。属性プロフィールは全体サンプルとほぼ一致しており(女性72%、X世代 41.3%)、特定の属性がコンテンツを拒否しているわけではなく、デジタル懐疑派とも言える横断的なセグメントであることがわかります。この層は、非表示・通報率が高く、アルゴリズムが提供するコンテンツを内容に関わらず反射的に避ける傾向を持つ人々と考えられます。プラットフォーム設計者にとって、この18.3%はまったく異なるアプローチが必要、もしくはアルゴリズムが自動的に流すSNSコンテンツでは届かない層である可能性があります。
?
なぜアルゴリズムCは少数でありながら強力なのか?
アルゴリズムC(アイデンティティ・コミュニティ)に割り当てられたのはわずか20人(4.9%)ですが、この層は本研究全体で最も深くエンゲージしている回答者です。ミレニアル世代(45%)が多く、ベビーブーマーの存在感(30%)も際立っています。Z世代はゼロです。アイデンティティ・コミュニティ型コンテンツが響くのは、確立された社会的アイデンティティと地域とのつながりを持つ人々です。つまり、これがミレニアル世代とベビーブーマー(=確立されたコミュニティメンバー)が多いのにもかかわらず、Z世代(まだ社会的アイデンティティを形成中)が不在であることを説明しているのです。第2回目の検証では、アルゴリズムCは定着率100%・スコア80%向上を記録し、最も忠実な回答者層となっています。

エンゲージメントの強度別分類

割り当てられた回答者を、最適アルゴリズムに対するエンゲージメントの強さで分類。

高(40以上)
106人(31.7%)
中(15〜39)
94人(28.1%)
低(1〜14)
66人(19.8%)
無関心(0)
9人(2.7%)
完全拒否(0未満)
59人(17.7%)

第2回目の検証

割り当てられたアルゴリズムに基づき、各ツインに新しいコンテンツを提示しました。割り当て済み334人のうち177人が第2回に参加。プラスのスコアを維持することで、割り当ての妥当性は証明されるのか検証します。

86.4%
全体の定着率
85%
アルゴB(高信頼性)定着率
100%
アルゴC(アイデンティティ)定着率
86%
アルゴD(公平な視点)定着率

スコアの変化:第1回目 vs 第2回目

割り当て前後の平均スコア。第2回目が高いほど、割り当てが機能していることを示します。

第1回目
第2回目
アルゴ B(高信頼性)
第1
+27.6
第2
+23.4
アルゴ C(アイデンティティ)
第1
+12.1
第2
+25.0
アルゴ D(公平な視点)
第1
+24.1
第2
+22.8
注目の結果
アルゴリズムC:定着率100%、80%がスコア向上
アルゴリズムCに割り当てられた全員が第2回目もプラスのスコアを維持し、80%は実際にスコアが上昇しました。アイデンティティ・コミュニティ型コンテンツは、共感する人々に対して最も深い忠誠心を生み出します。平均スコアは+12.1から+25.0へと移行し、+12.9ポイントの上昇です。
アルゴリズムB&D
わずかな低下はあるものの、安定したパフォーマンス
高信頼性情報(B)と公平な視点(D)はともに約85%の定着率を示し、スコアはわずかに低下しましたが、これは想定内の結果です。第1回目のスコアがすでに高水準にあったため、平均への回帰は自然な現象です。高い定着率は割り当ての成功を裏付けています。

発言と行動のズレ

アルゴリズムA(炎上狙い)を350人のツインに再テストし、今回は実際にどう行動するか(Do)ではなくどう発言するか(Say)を予測しました。このズレは、意識がいかに行動データを歪めるかを明らかにします。

-22.2
DOの平均
-2.6
SAYの平均
+19.6
平均ズレ幅
90.3%
SAYがよりポジティブ
反応数のズレ
反応数:DOの2.29 vs SAYの0.69(1人・1コンテンツあたり)
実際にコンテンツに接したとき、人々は「自分はこう反応するだろう」という発言よりもはるかに多くのアクションを取ります。クリック・視聴・非表示と複数の反応をしながら、聞かれると一つの回答に単純化してしまいます。

反応タイプ別の比較

各反応タイプにおける実際の行動率(DO・青)と発言率(SAY・赤)の対比。

DO(実際の行動)
SAY(発言)
スクロールして無視
DO
38.9%
SAY
36.8%
-2.2pp
非表示
DO
32.4%
SAY
21.5%
-10.9pp
クリック・視聴
DO
12.3%
SAY
4.3%
-8.0pp
通報
DO
6.7%
SAY
6.8%
+0.1pp
コメント
DO
2.0%
SAY
15.4%
+13.4pp
DMでシェア
DO
2.7%
SAY
8.8%
+6.1pp
いいね
DO
2.3%
SAY
2.6%
+0.3pp
プロフィールクリック
DO
2.0%
SAY
0.3%
-1.7pp
批判コメント付きシェア
DO
0.2%
SAY
1.9%
+1.7pp
ポジティブコメント付きシェア
DO
0.3%
SAY
1.5%
+1.2pp

3つの主要な発見

発見1
回避行動を過小申告する
「非表示」はDOからSAYで10.9ポイント低下します。実際にはコンテンツを積極的に非表示にしながら、聞かれると自分をより寛容に見せようとします。非表示に設定することは誰にも見えないプライベートな行動なので社会的コストはゼロですが、それを公に認めることは不寛容を認めることのように感じられるのです。
発見2
積極的な関与を過大申告する
「コメント」はDOからSAYで13.4ポイント上昇します。意見を言うだろうと答えながら、実際は沈黙を守ります。関与したいという気持ちは本物ですが、実際にコメントを書くという行動のハードルが、自己申告では見られなかった障壁となっています。
発見3
つい見てしまう好奇心を過小申告する
「クリック・視聴」はDOからSAYで8.0ポイント低下します。実際には自分が認めるよりもはるかに多くのコンテンツを消費しています。炎上狙いのコンテンツだとわかっていながらつい押してしまうクリックは、最もよく見られながら最も申告されない行動の一つです。

なぜこのズレが生じるのか?

クリックすると、発言と行動のズレの背景にある心理的メカニズムを探れます。

?
なぜ人々はこっそり非表示にしながら、表向きはそれを否定するのか?
コンテンツの非表示はコストゼロ・誰にも見えないアクションです。投稿を非表示にしても誰も気づきません。しかし「非表示にしますか?」と聞かれると、回避を認めることが不寛容や視野の狭さを認めることのように感じられます。DOからSAYへの10.9ポイントの低下は、社会的に良い人に見られたい欲求を反映しています。人々は寛大に見せたいと思っている一方で、実際の行動では不快に感じるコンテンツを避けるようにフィードを積極的に管理しているのです。これこそが、行動データが不可欠な理由です。非表示というプライベートなアクションは、アンケートには現れません。
?
なぜ「コメントする」と言いながら実際は沈黙するのか?
コメントにおける13.4ポイントの過大申告は、本研究で最大のズレです。これは意図と行動のハードルの差を明らかにしています。聞かれると、人々は本気で自分の意見を表明すると思っています。しかし実際には、公開する返答を考える手間、反発のリスク、そしてスクロールして通り過ぎるという怠惰さが障壁となります。意図は本物ですが、実行とのギャップは非常に大きいのです。コメント数がエンゲージメントの指標として不十分な理由はここにあります。人々は実際の行動に比べ、公の場への参加意欲を約8倍も過大評価しています。
?
「つい押してしまうクリック」はエンゲージメント指標に何を示しているか?
炎上狙いのコンテンツのクリック・視聴は実際には12.3%に上るのに、認めるのはわずか4.3%です。これが「つい押してしまうクリック」です。低品質だとわかっていても、好奇心が判断を上回ってしまうのです。プラットフォーム設計者にとってこれは危険なフィードバックループを生み出します。クリック指標は「人々が炎上狙いのコンテンツを求めている」と示唆しますが、人々は決してそうとは言いません。行動データ(クリック)と意識データ(非表示)はどちらも現実ですが、それぞれ異なる真実を示しています。人々は同じコンテンツを消費していても、それと同時に拒否もしているのです。クリック率だけに頼ると、真の関心を大幅に過大評価することになってしまいます。

ズレの分布

SAYスコアとDOスコアのズレはどれくらい大きいか?約半数の回答者でズレが+20ポイントを超えています。

ズレ > +20
49.7%
ズレ +10〜+20
27.7%
ズレ +5〜+10
8.3%
ズレ 0〜+5
5.1%
ズレ < 0
9.1%

転換点分析

SAYスコアとDOスコアを比較したとき、回答者はゼロの閾値(プラスかマイナスか)を越えるか?

64.6%
SAY・DOともにマイナス
24.6%
SAYプラス・DOマイナス
0.6%
SAYマイナス・DOプラス
10.3%
SAY・DOともにプラス
重要な示唆
24.6%がエンゲージメントを過大申告している
この層は「積極的に関与する」と答えながら、実際の行動はマイナスです。アンケートだけに頼ると、実態は拒否しているにもかかわらず、約4人に1人を「エンゲージしている」と誤分類することになってしまいます。これがアンケートベースのコンテンツ戦略の核心的なリスクです。

個別の経路マップ

1体のデジタルツインが、全アルゴリズム・全コンテンツ・全反応をどう辿ったかを追います。適切なアルゴリズムが、行動を一変させる様子をご覧ください。

DT
デジタルツイン #691f3555
女性 · X世代 · アルゴリズムD割り当て · スコア幅:115pt
A: -26 B: +79 C: +21 D: +89
アルゴリズム A
-26
炎上狙い
アルゴリズム B
+79
高信頼性情報
アルゴリズム C
+21
アイデンティティ
アルゴリズム D
+89
公平な視点 ― 最適

全コンテンツにわたる累積スコアの推移

各点は1つのコンテンツを表します。折れ線は、各アルゴリズムが表示するコンテンツ(フィード)を通じてエンゲージメントがどう積み上がるか(あるいは崩れるか)を示し、割り当てられた第2回目の検証へと続きます。

0 +100 -30 アルゴA アルゴB アルゴC アルゴD(R1) アルゴD(R2) -26 +79 +21 +89 +96
第1回目の検証 全アルゴリズムのテスト
アルゴリズム A
炎上狙いの釣りコンテンツ
-26
1
感情喚起型政治動画
クリック・視聴 +2 プロフィールクリック +3 コメント +4 非表示 -5
+4
2
衝撃的な犯罪ニュース投稿
スクロールして無視 -1 非表示 -5 通報 -8
-10
3
セレブリティの炎上スレッド
スクロールして無視 -1 クリック・視聴 +2 非表示 -5
-14
4
拡散しやすいミーム
スクロールして無視 -1 非表示 -5
-20
5
リアクション動画
クリック・視聴 +2 DMでシェア +5 非表示 -5 通報 -8
-26
パターン
好奇心と拒否が同居する
彼女はクリックして視聴し、一度はコメントまでするのに、全てのコンテンツを非表示にしてしまいます。これはつい押してしまう「クリック」の典型例です。見ずにはいられないのに、フィードからは積極的に消そうとしています。コンテンツ4に達すると、非表示に加えて通報まで行うようになります。
アルゴリズム D
公平な視点 ― 最適マッチ
+89
1
多角的な政策解説
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4
+9
2
異なる意見を持つ人々の討論動画
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4 DMでシェア +5
+23
3
データで見る解説投稿
クリック・視聴 +2 いいね +3 お気に入り +4
+32
4
多様な視点を伝えるインフルエンサーの解説
クリック・視聴 +2 いいね +3 フォロー +7 コメント +4 ポジコメ付きシェア +8 DMでシェア +5 お気に入り +4
+65
5
考察系の長尺動画
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4 ポジコメ付きシェア +8 フォロー +7
+89
変化のポイント
ネガティブな反応ゼロ。向上するエンゲージメント。
5本の公平な視点コンテンツ全体を通じて、非表示・スクロール無視・通報が一度もありません。コンテンツごとに反応の数が増え続けます。コンテンツ4では、1つの投稿に7つのポジティブなアクションを行っています。これこそ、アルゴリズムとのマッチが実現した姿です。
第2回目の検証 アルゴリズムDへの割り当て
アルゴリズム D ― 新コンテンツ
検証ラウンド
+96
1
2画面で対比する視点を提供する動画
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4
+9
2
コミュニティが集う対話イベントの動画
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4 ポジコメ付きシェア +8
+26
3
文脈を補足した事案解説
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4 DMでシェア +5
+40
4
考察系の長文エッセイ
クリック・視聴 +2 いいね +3 コメント +4 ポジコメ付きシェア +8 DMでシェア +5
+62
5
データに基づくよくある質問への回答投稿
クリック・視聴 +2 プロフィールクリック +3 いいね +3 シェア +6 ポジコメ付きシェア +8 DMでシェア +5 フォロー +7
+96
検証確認
第2回目の検証スコア(+96)が第1回目(+89)を上回る
一度も見たことのない全く新しいコンテンツで、第2回目のエンゲージメントは第1回目をさらに上回りました。最後のコンテンツでは、シェア・ポジティブコメント付きシェア・DMでシェア・フォロー・プロフィールクリックを含む7つのポジティブなアクションが発生しています。アルゴリズムの割り当ては維持されるだけでなく、むしろ深まりました。
発言と行動のズレ アルゴリズムA:「自分はこう反応するだろう」という発言

アルゴリズムA(炎上狙い型)の最初のコンテンツ「感情喚起型政治動画」について、実際の行動と「自分はこう反応するだろう」と発言したことを比較します。

実際の行動(DO)
感情喚起型政治動画
  • +2 クリック・視聴
  • +3 プロフィールクリック
  • +4 コメント
  • -5 非表示
スコア:+4
発言(SAY)
感情喚起型政治動画
  • +4 コメント
スコア:+4
ズレの実態
スコアは同じ、行動は全く異なる
DOもSAYもスコアは+4ですが、実態は全く異なります。実際に行動したとき、彼女は4つのアクションを取ります。クリックし、プロフィールを確認し、コメントし、そして非表示にする。一方で自分はこうするだろうと発言した際には、単にコメントするとだけ答えています。「つい押してしまったクリック」も、好奇心からのプロフィール訪問も、そして決定的な「非表示」も、口頭では全て隠してしまうのです。
全体像

-26から+96へ

炎上狙いコンテンツを通報・非表示にしていた同じ人物が、公平で多角的なコンテンツを提供されると、本研究で最も高いエンゲージメントを示す回答者の一人になりました。このように、アルゴリズムは「重要」なだけでなく、行動そのものを一変させることがわかります。


重要な発見

以下それぞれは、プラットフォーム設計・コンテンツ戦略・オーディエンス調査の方法論に直接的な示唆をもたらすものです。

1
信頼性が高くバランスの取れたコンテンツが勝つ
アルゴリズムBとDを合わせると回答者の75%を占めます。大多数の人々は、センセーショナルなコンテンツやアイデンティティに訴えるコンテンツよりも、事実に基づいた多角的なコンテンツを積極的に好みます。質の高いコンテンツを中心とするプラットフォーム戦略は、倫理的であるだけでなく、ビジネス的にも最適な選択です。
2
炎上狙いのコンテンツは失敗する
アルゴリズムAは回答者の90%に拒否されました。409人中わずか6人しか、炎上狙いコンテンツを最適なアルゴリズムとして選びませんでした。クリックや怒りの感情を最適化しようとする主流のプラットフォーム戦略は、大多数のユーザーを遠ざける結果になっています。
3
対象は限られるが強力なコミュニティコンテンツ
アルゴリズムCを選んだ人は少数(4.9%)ですが、その層は第2回目で100%の維持率と80%の改善を示しました。コミュニティに寄り添ったコンテンツは、対象層の中で圧倒的な支持を生み出すため、ターゲット型戦略に最適です。
4
発言と行動のズレは極めて大きい
アンケートベースのコンテンツ戦略では、エンゲージメントを平均+19.6ポイント過大評価してしまいます。90.3%の人が実際の行動よりも意欲的な回答をしています。24.6%は転換点を完全に超えており、実際にはコンテンツを拒否しているにもかかわらず、エンゲージしていると答えています。
結論
炎上狙いではなく、信頼を基軸にしましょう。
データは明確です。人々は信頼性が高くバランスの取れたコンテンツに最もエンゲージします。炎上狙いのコンテンツは圧倒的に拒否されてしまいます。そしてアンケート形式で聞くと、人々は逆のことを答えることがあります。オーディエンスの行動を理解する唯一の信頼できる方法は、尋ねることではなく、観察することです。