Brox.AI
shin@brox.ai
ケーススタディ
デジタルツインによる実現

肥満・糖尿病治療薬GLP-1に対する
意識調査の詳細分析

1対1のデジタルツインを通じて、GLP-1に対する人々の意識を解明

900+
デジタルツイン
想定シナリオ数
想定組み合わせ数

01. 調査概要

検証方法

AIを活用し、「行動」に徹底的に焦点を当てたインタビューをもとに、実在するパネリスト900人以上のデジタルツインを構築しました。そのうえで、そのデジタルツインに対し、パネリストがこれまで一度も検討したことのないGLP-1の受容に対する反応を予測しました。価格感度行動セグメンテーション障壁と推進要因シナリオの組み合わせチャネルの影響セグメント×チャネルの交互作用といった様々なケースでの反応をシミュレーションすることで、従来の調査では得られなかった詳細度とスピードでGLP-1に対する人々の意識の予測結果を生成しました。


02. Brox.AI プラットフォーム

当社が提供するもの

以下の3つの機能が、消費者調査を高度な予測分析へと変換させます。

1
デジタルツイン
AIが活用されたインタビューを1人あたり5時間以上実施し、それをもとに実在する人物の1対1のデジタルツインを構築します。この手法は、ペルソナでも、セグメントでも、統計モデルでもありません。
国民の声を反映するサンプル
2
シミュレーション分析
実際に起こりうるシナリオの結果を予測します。景気後退、金利変動、生活上の出来事、競合動向をモデル化。なにか特定の出来事が起こる前に、それによってどこに利益・不利益が発生するのかを予測し、その理由も発見できます。
無制限のテストシナリオ
3
継続型分析システム
Brox.AIは常時稼働の戦略型リソースです。追加の質問をしたり、数分・数週間・数ヶ月にわたって何百もの結果や意思決定をモデル化できます。
継続利用可能
03. 価格感度

価格は主要因ではない

900人以上のデジタルツインに対し、月額4つの価格帯それぞれでGLP-1を試してみる可能性はあるか尋ねました。各ツインは1〜5のスケールでその可能性を評価しました(5=最も可能性が高い、1=最も可能性が低い)。以下の結果は、GLP-1を無料にしても状況はほとんど変わらないことを示しています。

無料
4%
6%
6%
21%
63%
10% が前向き
月額$10
4%
7%
4%
20%
66%
11% が前向き
月額$25
3%
6%
3%
19%
70%
9% が前向き
月額$50
3%
5%
2%
17%
73%
8% が前向き
5 – 最も可能性が高い
4 – 可能性が高い
3 – どちらともいえない
2 – 可能性が低い
1 – 最も可能性が低い
前向き = 4または5(試す意欲あり)
主要な発見
無料にしても解決しない
GLP-1を無料で提供しても、月額$10の場合とほぼ差がありません(前向き率:10% vs 11%)。$0でも63%が「最も可能性が低い」と回答しています。よって、前向き率の低さは意識の問題であって、お金の問題ではありません。
価格戦略
値引きではなく、価値を伝える
月額$10から$50への変化による前向き率の低下はわずか約3ポイントです。よって、価格戦略には積極的な値引きではなく、価値を訴えることに注力すべきです。真の障壁は認識や信頼度の低さ、副作用への不安にあります。

04. 行動セグメンテーション

あらゆるセグメントの設定が可能

Brox.AIでは、行動セグメントを無制限に作成できます。ここでは4つの意識セグメントで比較し、異なるマインドセットがGLP-1に対してどのように反応するかを明らかにします。各バーはスコア(1〜5)の全分布を示し、右側に受容に「前向き」な割合(4または5)を表示しています。

比較 A
副作用への態度 – 回避したい層 vs 許容できる層
副作用を回避したい層
18%
71%
9% が前向き
副作用を許容できる層
12%
19%
12%
24%
34%
31% が前向き
比較 B
薬物療法への態度 – 懐疑的な層 vs 優先する層
薬物療法に懐疑的な層
16%
79%
3% が前向き
1%が5/5を選択 – この層については下記の詳細分析をご覧ください
薬物療法を優先する層
16%
21%
27%
27%
37% が前向き
5 – 最も可能性が高い
4 – 可能性が高い
3 – どちらともいえない
2 – 可能性が低い
1 – 最も可能性が低い
前向き = 4または5
最もアプローチしやすい層
薬物療法を優先する層:前向き率37%
この層は薬物療法に懐疑的な層と比べて12倍も高い前向き率を示しています。すでに薬による解決策に対して信頼を置いているため、説得するにはGLP-1そのものに対する懸念に対処することであり、根本的な意識の変革ではありません。
主要な障壁
副作用への不安が前向き率を3.4倍低下させる
副作用を回避したい層の前向き率はわずか9%で、許容できる層の31%と比べて大幅に低い水準です。専門的な情報の伝達や実際のエビデンスを通じて彼らの副作用への認識を変えることで、需要を大幅に掘り起こせる可能性があります。
詳細分析 – エッジケース
薬物療法に懐疑的な層の中で5/5を選んだ1%とは

当社の強みである、個人レベルに着目した深い洞察力により、その1%の具体的な人物像、そして彼らの判断の背後にある根本的な理由を正確に把握できます。その1%は4つのデジタルツインに相当していたので、それらからそれぞれ異なる理由を明らかにしました。

ツイン1 – 重症時は例外的に受容に前向き

深刻な病状に直面した際にはGLP-1の使用を検討する意志がある。薬全般への懐疑的な姿勢を持ちながらも、状況に応じて現実的な判断ができるタイプ。

ツイン2 – 信頼できる情報源からの推薦

信頼できる医療従事者や身近な人からの勧めがあったことで、GLP-1の使用に前向きになったケース。

ツイン3 – 過去につらい副作用を経験

数年前に抗うつ薬で悪い経験をしており、強い不信感を持つ。しかし特定の健康不安があることで、GLP-1には前向きな姿勢を見せている。

ツイン4 – 健康意識の高い現実主義者

サプリメントや運動を通じて積極的に健康管理に取り組んでいる。自然なアプローチを重視しているが、必要な場面では現実的な判断ができるタイプ。


05. 障壁と推進要因

GLP-1の受容を妨げる要因と後押しする要因

デジタルツインに対し、GLP-1の受容を妨げる要因と後押しする要因をそれぞれ説明するよう依頼しました。その結果、妨げる要因は多岐にわたり感情的な性質が多い一方で、後押しする要因はたった一つが群を抜いていることが明らかになりました。

受容の障壁
副作用への不安
53%
GLP-1への否定的な印象
44%
自然療法・生活習慣改善を優先
42%
医療システムへの不信感
30%
新薬への不信感
19%
長期服薬への不安
10%
注射への抵抗感
9%
薬への抵抗感
8%
他薬との相互作用への懸念
6%
過去の悪い経験
必要性を感じない
費用・保険
受容の推進要因
医師の推薦
63%
低コスト・手頃な価格
24%
FDA承認・エビデンス
19%
副作用が少ない
18%
減量・健康上の必要性
16%
効果・実績
15%
家族・知人の成功体験
最大の障壁
副作用への不安が53%で首位
全抵抗感の半数以上が副作用への懸念に起因しています。GLP-1への否定的な印象(44%)や自然・生活習慣の重視(42%)と合わせると、上位3つの障壁はすべて意識や感情に基づくものであり、経済的なものではありません。
最大の推進要因
医師の推薦が63%で圧倒的首位
最大の推進要因は他のすべての要因を約3倍上回っています。最も効果的な戦略は、医師主導で副作用への懸念に直接対処する情報提供であり、最大の障壁と最大の推進要因を橋渡しするものです。

06. 試用なしでもできる意識転換

サポート手段が意識に与える影響

栄養士へのアクセス、患者サポートグループ、症状管理アプリといったサポート手段を組み合わせると、実際に試用しなくても受容の可能性がどう変わるかを検証しました。

7%
7%
20%
66%
5%
7%
6%
42%
40%
8%
43%
42%
6%
5%
39%
46%
5%
8%
6%
42%
39%
6%
8%
5%
43%
39%
5%
8%
6%
42%
40%
5%
8%
5%
42%
40%
月額$10
(サポートなし)
栄養士
サポート
患者サポート
グループ
症状管理
アプリ
栄養士+
アプリ
栄養士+
サポートグループ
アプリ+
サポートグループ
3つすべて
組み合わせ
ベースライン
単体施策
2つの組み合わせ
3つすべて
GLP-1使用の可能性
5 – 必ず使う
4 – おそらく使う
3 – どちらともいえない
2 – おそらく使わない
1 – 絶対に使わない
見えにくい変化
「絶対に使わない」が26ポイント減少
どのサポート施策を導入しても、強い拒否反応は66%から約40%に低下します。一気に「使う」に転換はしませんが、「おそらく使わない」というソフトな立場に移行し、時間をかけた働きかけで説得できる可能性がはるかに高まります。
最も効果的な組み合わせ
栄養士+サポートグループが前向き率14%で最高
専門的知識とコミュニティサポートの組み合わせが最も高い前向き意向を生み出します。3つすべての組み合わせ(13%)を上回る結果であり、3つ目の施策を追加しても効果はむしろ小さくなることが示されています。
戦略的示唆
サポートが将来の受容性を高める
強い拒否から緩やかな拒否への26ポイントの移行こそが、サポート施策の真のROIです。「おそらく使わない」層は、継続的な情報接触と信頼構築を通じて、将来的に受容へ転じる可能性を秘めた層です。

07. チャネルの影響

意識を変えてくれる情報チャネルはどれか

GLP-1の受容における主な障壁はコストではなく、副作用への恐れや薬物療法への懐疑といった心理的なものです。そこで、さまざまな情報チャネルへの接触が、GLP-1を試してみようという意識にどう影響するかを検証するために、各デジタルツインに「このチャネルによって意識が前向きになるか」と尋ねてみました。

単一チャネルの影響度 ― 接触後に前向きになった割合
内分泌専門医・肥満専門医
からの推薦
41%
かかりつけ医
からの推薦
40%
友人・家族による
GLP-1の成功体験
19%
看護師・医療スタッフによるカウンセリング
14%
薬剤師への相談
5%
医療系ポッドキャスト
3%
近くの薬局内の掲示・広告
SNSのインフルエンサー
詳細分析:他のチャネルとかかりつけ医の推薦の相互作用

他のチャネルとの組み合わせはその効果を高めるのか低下させるのかを明らかにするために、4つの組み合わせを検証しました。

かかりつけ医のみ(ベースライン)
40%
かかりつけ医+友人・家族の成功体験
53%
+13pp
かかりつけ医+内分泌専門医
46%
+6pp
かかりつけ医+薬局内の掲示・広告
36%
−4pp
かかりつけ医+薬局広告+家族 (回復)
51%
+11pp
主要な発見
社会的証明が最大の増幅要因
友人・家族の成功体験とかかりつけ医の推薦の組み合わせは53%に達し、あらゆる組み合わせで最高値・+13ppの上昇を見せました。医師への信頼に加え、身近な人の成功体験が意識を動かす決め手となります。
注意点
広告は逆効果に
薬局の掲示・広告とかかりつけ医の推薦の組み合わせは前向き率を36%に引き下げ、かかりつけ医のみより4pp低くなってしまいます。ただし家族の成功体験を加えることで51%まで回復します。
戦略的示唆
チャネルの相互作用は単純に比例しない
かかりつけ医+専門医という二重の医療プロからの推薦はわずか+6ppに留まる一方、友人・家族による社会的証明は+13ppをもたらします。最も効果的な戦略は推薦を積み重ねることではなく、医師によるアドバイスと友人・家族の実体験を掛け合わせることです。

08. セグメント × チャネル

各セグメントのチャネルへの反応パターン

5つの行動セグメントにおけるチャネルの影響度

GLP-1検討中
体重過多・肥満
リバウンド繰り返し
健康意識が低め
全回答者
20% 40% 60% 友人・家族 看護師・医療スタッフ 薬剤師 ポッドキャスト SNS 薬局の掲示・広告 かかりつけ医 内分泌専門医
GLP-1検討中
検討中の層は2〜19倍の反応率
すでにGLP-1を検討している層は、ほぼすべてのチャネルに対して圧倒的に高い反応を示します。医療系ポッドキャストはこのセグメントの25%に届く一方、全体では3%にとどまります。SNSインフルエンサーも19% vs 1%です。
健康意識が低め
最大反応率が23%にとどまる
健康意識が低めの層は全チャネルで反応率が大幅に低く(最大23% vs 検討中層の61%)、根本的に異なるアプローチが必要です。地域の信頼できる接点を通じた働きかけが有効です。
リバウンド繰り返し・健康意識が低め
新興チャネルはほぼ効果なし
SNSインフルエンサー、薬局の掲示・広告、医療系ポッドキャストは、この2つのセグメントに対してほぼ効果がありません。医療従事者が主導する従来型チャネルだけが、これらの層にリーチできる現実的な手段です。

09. プラットフォーム機能

Brox.AIが実現すること

あらゆるビジネスにおける問いを、データによる予測で答えます。

無制限のシナリオ
パネリストを疲労させることなく、あらゆる支援策、価格帯、メッセージの切り口、あるいはそれらの組み合わせを自由にテスト可能
?
意思決定の「理由」を解明
個人レベルでの意思決定の理由を深掘りできます。「何を」だけでなく、「なぜ」を把握。
意識変化の定量化
各シナリオごとに態度や意向がどう変化するかを定量化します。認識を動かす要因を正確に特定可能。
あらゆるセグメンテーション
デモグラフィック・サイコグラフィックなどのあらゆる軸で結果を分解
Brox.AIの強み

従来の調査は一度に一つの質問に答えるものです。一方、Brox.AIは検証の可能性を格段に広げ、あらゆるシナリオをテストし、あらゆるセグメントを理解することで、コストのかかるビジネス上の意思決定の前にすべての結果を予測することができます。